スナックミー社のライター 可数なつ さんが紡ぎ出す日常。生活のなかで見つけた「リアル」や「リアルではないもの」をテーマに、言葉を綴ります。snaq.meのおやつを食べながら読んでいただき、様々な“リアル”を感じていただけると幸いです。
2019.03
よく晴れた休日の朝、勢いよくカーテンを開けて、平日にためてしまった家事を始めました。家事の合間にふと口ずさんだ懐かしいフレーズに、ちょっと昔のことを思い出しました。
10代の頃にいつも聴いていた、メジャーデビューもしてない3ピースバンド。そのバンドを知っているのは、きっと教室の中で自分だけ、っていう満足感。好きになったきっかけの曲はあったけど、そのバンドの曲ならなんだってかっこよかった。
20代になると、そのバンドの曲を聴くことはなくなっていました。バンドはそこそこ有名になって、子供も起きている時間帯の歌番組にまで出ちゃったりして。好きになったきっかけの曲なんてまったく歌ってくれないし。変わったな、全然かっこよくないーー。
それから何年も経っているのに、そのバンドの曲を口ずさむなんて。懐かしくって調べてみたら、まだ活動してるや。細々とだけど。
聴いてみると、やっぱり違う。夢中になった頃の曲とはやっぱり違う、けど悪くないかも。好きだった曲調とは変わってしまったけど、それが新鮮で聴いていたくなる。そんな風に思えるのは、自分がちょっとは大人になったのと、きっと、あたたかい陽射しのせい。