お肉と赤ワイン、魚介には白ワイン。いちごとチョコレート、生ハムメロン。
食べ物には、そのままより美味しくなる食べ合わせがたくさんあります。それが「ペアリング」。ワインの世界では「マリアージュ」とも呼ばれます。
おやつ時間は、いろいろなおやつを食べたり、ドリンクを合わせることも多いもの。相性の良い食べ合わせを知っていれば、おやつ時間がもっと楽しみになること間違いなしです!今回は、そんな「ペアリング」の基礎をご紹介します。
ペアリングは食べ物の科学
ペアリングの科学の歴史
食べ物には「苦味・酸味・塩味・甘味・旨味」の5つの味があるほか、それぞれ香りもあります。ペアリングの世界では、味や香りを合わせた「フレーバー」に含まれる化学物質の相性が基本となります。
たとえば、赤ワインとお肉はぴったりの相性ですよね!でも、赤ワインとホタテなどのシーフードを食べ合わせると、鉄のような金属味や、魚くさい味がします。これは、赤ワイン中の鉄イオンや、赤ワインとホタテの成分が組み合わさってできる科学物質がいやな匂いの物質だから。

では、今のテクノロジーを用いれば、簡単に相性の良いペアリングを作ることができるのでは?と思いませんか。実際、ペアリングができるサービスやコンピュータでペアリングを研究する研究者も多く現れてきたのですが、実はペアリングはそう簡単ではない!というのが現在の科学の見解なんです。
味を感じるのは「人間」である!
ペアリングを食べ物に含まれる化学物質の相性だけで決めようとすると、抜け落ちるのが「味わうのは人間」という視点。
人間には、そもそもヒトとしての「認知の特性」があり、社会で生活する中で「食生活の文化」があり、ひとりひとりの「個人差」があります。
たとえば、フランスで生活する人々が似た味をあわせるマリアージュを大切にする一方で、インドなどのアジア圏では、全く異なる味のスパイスを意図的に合わせて新鮮な味を出す。この違いは化学物質を組み合わせるだけではわからなかったんです!
そして、どれだけ仲の良い友人だって、同じものを食べて反応が異なることもあります。
今や、フードペアリングは、人間の認知や文化をも大きく内包する科学の世界の話となっているのです。
ペアリングのセオリーをおさえる
大きな話になってきましたが、現在ペアリングは、この3つの合わせ方が主流とされています。
※味と香りをあわせて「フレーバー」としています
似たフレーバー同士
同系統のフレーバーを重ねた結果の深みを追求する。
西洋料理に多いパターン。多くの人が美味しいと感じやすい。
例)浅煎りコーヒーやフレーバーティー(酸味系)
×
ドライフルーツやフルーツタルト(爽やか系フルーツ)
→お互いの酸味、甘味が引き立て合う
対照的なフレーバー同士
全く違う味わい同士で新鮮な驚きと美味しさを生み出す。
特にこの組み合わせで、食文化による差や個人的な神経伝達などによる差が発声しやすい。
例)深入りコーヒーや濃いめ抹茶、ほうじ茶(苦味)
×
キャラメル、チョコレート(甘味)
→苦味を中和してくれ、マイルドな美味しさに
組み合わさることで新しいフレーバーが出現するもの同士
機械的に測定された香り同士を組み合わせることが多い。
人間の経験上は合わせないようなものも、科学の力で合わせてみることができる。食べる順番、香りを認識する順番によっても変化する面白いパターンもある。
例)いちご
×
バジル、チーズ
→共通の香り成分で美味しさを引き出す
ペアリングの面白いところは、どんなに科学的に「正解」であっても、食文化や食経験、食感で美味しいとは感じない人もいるということ。正解探しではなく、発見が楽しんでいくことが大切です。
そのまま食べて美味しく栄養がたっぷりと含まれるリアルフードのおやつ。おやつを食べるときには相性の良いおやつやドリンクと合わせて食べることで、もっとワクワクのおやつタイムを過ごすことができるかもしれません。
snaq.meのおやつでもいろいろなペアリンクを試してみては?
-Reference-
Pairing flavours and the temporal order of tasting
Flavor network and the principles of food pairing